四泊したシダーロッジをあとにして一路ハイカントリーへ。
移動日のこの日をどう過ごそうかあれこれ考えたけど、移動がてら出来そうな適当な距離のハイクができるところを探していたら、丁度おあつらえの場所を見つけた。それがモノパス(MonoPass)。Passとは境界のこと。そう今日はヨセミテ公園の境界まで歩いてみよう、というわけ。

8時過ぎに宿をチェックアウトして出発、9時半すぎにはトレイルヘッドに到着出来るだろう、と思っていたら、120号への分岐を過ぎてすぐ小さな崖崩れによる補修のための片側通行で10分近く待ち、さらにタイオガロードに入ってからも二箇所の片側通行の待ち時間のため到着は10時30分頃・・・。まぁ、急ぐ旅でもないからこれでも十分余裕なんだけどね。
こっちの片側通行時の待ち時間もアメリカサイズで長い長い!
「ヨセミテ2014夏-その1(初日) ぐるりバレー巡り」は
こちら「ヨセミテ2014夏-その2(二日目) 巨木の森」は
コチラ「ヨセミテ2014夏-その3(三日目) ドーム遥か手前で」は
コチラ「ヨセミテ2014夏-その4(四日目) 自転車でバレー巡り」は
コチラ「ヨセミテ2014夏-その5(五日目) モノパス」はこれ
「ヨセミテ2014夏-その6(六日目) Lundyキャニオン」は
コチラ「ヨセミテ2014夏-その7(七日目) Pleasantonへ」は
コチラ「ヨセミテ2014夏-その8(八日目) サンフランシスコ」は
コチラ「ヨセミテ2014夏-その9 おまけ」はコチラ
「MonoPass」という地名というか呼び名自体はもう随分前から知っていた。タイオガロードを走って公園東のゲートの手間にトレイルヘッドとパーキングがあるけれど、車15台分くらいのさほど大きくはない駐車場とは言え、いつもほぼ満車なのが気になっていた。ヨセミテハイカントリーの隠れた名所かもよ、なんて話をしていた覚えがあるが、今回ようやくそこに足を踏み入れる機会を作ることが出来た、というわけ。
トレイルは最初は森の中を進んでいくが、歩き始めて早々にかつての小屋らしきものに遭遇。

遥か昔の先住民達が、この森の開拓に身を寄せていた作業場所というか宿泊場所というか、そんな小屋だったらしい。
夏でも水の枯れない小さなクリークを渡ってしばらくすると、開けた場所に出た。西に見えるはマンモスピーク。こちらに来てもやはり火事の煙の影響からか、抜けるような青空、というのは程遠い。

森の中を通り、時折開けた場所に出て、初夏であればもっと水量が多いであろう小さなクリークを越え、そんな繰り返しが続くモノパスへのトレイル。歩く人も少なく、静寂に包まれた中を歩いていると、バレーフロアの喧騒とした雰囲気とは正反対のヨセミテのもうひとつの顔がここにはある、ということを強く感じるのだ。

水の流れのあるクリークの脇を通るとそこには遅咲きの花を見ることが出来た。

SpilwayLakeへの分岐を左にいくと、ここから少し斜面を斜行するような感じでしばらく登りが続く。とはいってもヨセミテ滝やバーナル・ネバダ滝のトレイルとは比較にならないほど緩やかな勾配だ。

ひと上りするといきなりガレ場が現れる。が、ここは脇を通過するだけ。こんな薄い板状のガレ場が見られるのもハイカントリー東側の特徴だ。

昼近くの時間だったけれど、鹿も活動中。朝早い時間だと結構な鹿の姿をこのあたりでも見かける。

といっても、このあたり9000ftを越える標高なんだけど。
最後の分岐であるパーカーパスとの分岐点。ここを右にいくとパーカーパス、左にいくとモノパス。モノパスへはもうあと0.3マイルほど。

そのパーカーパス方面の眺め(クリックすると拡大表示します)。

このあたりもまた不思議な眺めで、ピークから見渡すだけでは決して見る事の出来ない、雄大な眺めが広がっている。
その道の曲がった先に広がる光景を想像しながら、思わず足どりも軽くなる^^

この草原の先が公園境界。その向こうに見える山は谷を挟んでそびえるLewisピーク。頂上は12,500ftほど。

なんだかとても不思議な空間にいるような。まるでニュージーランドの大草原にでも迷い込んだかのような錯覚を覚えるのだけれど、ちょっとアタマを回して周りを見ると、ガレ場の斜面をなすピークが見えたりする。足元の花崗岩と松の木を見て、あぁやっぱりヨセミテだったんだな、と思ったりするのだ。
境界とはいっても別に線が引かれているわけじゃない(当然・・・)。一応ここに看板があるので、多分このラインが境界線なんだと思う。標高は10、599ft。ちなみにトレイルヘッドの駐車場で既に8,900ftほどあるのだ。

トレイルヘッドからここまで二時間弱。この程度のハイクで別世界とも言える中に身をおくことが出来るなんて。
吸い込まれそうなくらい神秘的な佇まいの湖。

西を見ればガレ場の続くマウントギブス。すぐに頂上まで行けそうに見えるけど、このガレ場を上がっていくのはちょっとしんどそう。

このピーク、トレイルヘッドの駐車場を少しゲート方面に進むと見えているピークで、丁度麓を回って反対側にやってきたわけだ。
この松の木を見ると、あぁここはヨセミテなんだな、と思う。

が、足元の岩は赤茶けていて、ここがヨセミテでも東端であることを思い起こさせてくれる。
昼食のおにぎりと、これまたお決まりのコーヒーでのんびりとこの眺めの中で時間を過ごす。何もしなくても至福の時間とはこのことか・・。
たまにこんなケルンを積み上げて遊んでみたり^^

湖のほとりにも道標があるが、公園外であるためそのデザインはガラッと変わっている。木製というのがまたいいね。

1時半すぎ、後ろ髪を引かれながらも出発。もう少し早い時間に着いていればパーカーパス方面へも足を延ばして見たかったのだが、今回は断念。時間的にはまだ余裕があったんだけれど、この眺めでもうお腹一杯、という感じだったのでね。ヨセミテのハイクガイドをみると、パーカーパスはまた違った雰囲気が楽しめるらしい。直線距離ではここから1kmほどしか離れていないんだけれど。それはまた次回以降の楽しみに取っておくことにしよう。
誰がおいたかわからないけど、トレイルの真ん中に新しい芽がでていて、廻りを小石で囲まれている。粋な計らいをするハイカー達だ。

あとはもう来た道をそのまま引き返すだけだが、方角が違うとまた違ったものが目に入ってくるから不思議。帰路にやたら目に付いたのが「ねじれた木」

外皮がすっかり剥がれてしまったけれど、それでも相当なねじれがあることがわかる。これも過酷な自然のなせるワザなのかな。
倒れて枯れてから何十年も経ったものだろうけど、こいつのねじれ具合は半端じゃない!

林の中に広がる湿原も、時刻が変わって太陽の向きが変わると「もう秋」をアピールしているかのよう。

あと30分程度で駐車場かな、というところまできたら、急に目に入ってきたのがこのきのこ。相棒が嬌声を上げたことはいうまでもない^^

クリークが近くにあって、湿気もほどほどにあったせいだろうけど、あるわあるわ、草の陰を覗いてみるとまぁ沢山あること。毒キノコがどうか、は不明・・・・。
往路では見落としたかもしれない、こんな鮮やかな赤い花も残っていた。

トレイルヘッドに戻ったのは3時20分頃。
往復で7.4マイル(12km弱)、標高差は2000ftもなかったので、歩いた距離の割にはあまり疲れもない、まぁほどよいきよりのハイクだった。
やっぱり「初」の場所は楽しい。昨日までは過去数回行った場所でもあったので、少し中だるみのような感じがあったけれど、こうして初めていく場所だと気持ちが一気にリフレッシュされた気がする。また、ヨセミテの中でもひときわ違った雰囲気が楽しめたのも大きな収穫。まだまだ知らないヨセミテが沢山あるんだなぁ、と改めて思った次第。
よくよく考えてみたら、バレーフロア周辺なんて、公園全体の面積からしたら微々たるも。神奈川県と平塚市の比率よりも大きいくらいなんだからね。ただもっと奥まったヨセミテを味わおうと思うと、パーミットをとってキャンプ体勢を整えて行かなきゃならないわけで、そうなるとちょっとハードルが高くなりそう。行くなら体力があるうちに・・・・・(笑)。
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- 2014/10/01(水) 21:23:51|
- ヨセミテ
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