三日目、ドーム山頂へのパーミットが取れなかったので、せめて直前まで、と思って、この日は「ドームをそばから見上げてみよう」ハイクを計画。あわよくばレンジャーのにーさんとの交渉で頂上までいけたらラッキー、なんて思っていたんですが・・・・。

あれだけの煙がドームの裏手、つまりドーム頂上へつながるトレイルがあるところが火事にあっていたわけですから、昨夜のうちからこりゃダメだな、とは思っていたけれど、ダメなら途中までいってのんびりするのもいいかな、と思い直して向かったけれど、このとおり、トレイル入口にはご丁寧に電光掲示板での告知です。
「ヨセミテ2014夏-その1(初日) ぐるりバレー巡り」は
こちら「ヨセミテ2014夏-その2(二日目) 巨木の森」は
コチラ「ヨセミテ2014夏-その3(三日目) ドーム遥か手前で」はコレ
「ヨセミテ2014夏-その4(四日目) 自転車でバレー巡り」は
コチラ「ヨセミテ2014夏-その5(五日目) モノパス」は
コチラ「ヨセミテ2014夏-その6(六日目) Lundyキャニオン」は
コチラ「ヨセミテ2014夏-その7(七日目) Pleasantonへ」は
コチラ「ヨセミテ2014夏-その8(八日目) サンフランシスコ」は
コチラ「ヨセミテ2014夏-その9 おまけ」はコチラ
ハーフドームの基部まで行くわけだから、そこまでの距離は7マイル強=約12km弱。往復で25km近いハイクになるので宿を出発したのは5時40分。が、どうにも空模様が怪しい。パーキングに近いドームが見えるところまできたけれどこんな感じ。

いったんは引き上げたものの、エルキャピタンあたりにきた頃にはバレー西側は晴れ間が広がってきたのでUターン。
トレイルヘッドの駐車場に入ると妙に車が少ない。やっぱりこれクローズしてるんじゃない?と思いつつも、準備を整えて出発したのが7時過ぎ。のっけからテンション下がりまくり・・・。本来なら今回のダブルメインイベントのひとつになるはずだったんだけどね。
で、案の定、冒頭の掲示板と遭遇となるわけ。どうりで車が少なかったわけだ。
トレイルヘッドにも手作りの告知紙が張り出されてた。日付が手書きなのがちょっと笑える。9/7って昨日の日付じゃん。やっぱり火事の影響のよう。

とりあえずジョンミュアトレイルを使って、行きはバーナル滝はパス。バーナル滝の上部にあるクラークポイントからの眺めがこれ。三つの異なるピークが見えるこのポイント、割と好きなところのひとつなのだ。が、こんなにどんよりとした中での眺めなんて初めてこと。

ちなみに、一番左に見えるのがハーフドーム。うらから眺めるとこれだけ姿が違うってところがまた面白いのだ。
ドーム頂上へはしばらくこの裏ドームを眺めながら歩くことになる。
この先、ネバダ滝へ行く道すがら、一箇所だけ水が豊富に湧き出しているところがあって、ここだけは季節とわず花が咲いているところ。とはいってもさすがに今の時期だと花は少なくて、これはそのうちの貴重な二枚。Photo by A.

ちょっとみづらいけど、この壁にも白い花が群生していた。

ネバダ滝も近づいてきたけど、流れる水はほんのわずか。見えるピーク(リバティキャップ)の右から豪快な水しぶきをあげて落ちる大量の水が見られるのは7月上旬あたりまでかな。

ネバダ滝上に到着したのは9時20分ころ。このあたりの眺めは変わってませんね。花崗岩から生えてる?ってな感じの松の木がまたいい感じ。このころになってようやく青空も広がってきた。

上空はヘリが飛び交っていた。報道のものらしきヘリもあれば、消火活動をしているヘリもある。

今日はここでのんびり昼過ぎまで過ごすかな、なんて思いながら、持参したおにぎりを食べながら、スケッチブックを広げてサササと絵を描いてみたり。
と、そんな思惑も一時間もしないうちに壊される羽目に。
なんと小雨がぱらついてきはじめたのだ。怪しげな雲が覆っては晴れ、という繰り返しだったけれど、晴れ間の広がる割合が少なくなってきたなあ、と思った頃だった。結局、一時間もしないうちにさっさと下山準備にとりかかる。帰路はミストトレイル(滝の脇を降りていく急下りのトレイル)だ。
ドームへの道は、実はこのネバダ滝上ではまだ全体の1/3程度に過ぎない。まだここから5マイル弱歩く必要がある。今回は頂上まではいけないけれど、せめて基部までは、と思っていたので、少なくともあと3.5マイル位は歩く予定だったんだけどね。ここで引き返したら、計画の1/3弱なんだけど、まぁこれも仕方ない。
結構な大きさの雨粒とあって、ざっくからレインジャケットを取り出す。もう何度もヨセミテには来ているけど、持参してはいても一度も使用したことのないレインジャケット、これも今回の「初」の一つだったな(苦笑)。
旧下りのミストトレイルを下っていくと、途中で消防の隊員と思しき一団とすれ違った。皆、手に鍬(だったと思う)やその他消火活動に使うと思われる道具を担いで登ってきている。きっと火事の延焼防止に動員されたのだと思うが、彼らの活動にはほんとに頭が下がる思い。英語での表現が思い浮かばず、日本語で「お疲れさまです」と声をかけるのが精一杯だった。それが通じたのか(なわけないな・・・・)、すれ違う時に彼らも挨拶を返してくれた。
驚いたのは、すれ違ったのはその一団だけでなく、計5つのグループもあったこと。もしかしたら、僕らが下る前に既になんグループ化は上がってきていたのかもしれない。三つ目のグループとすれ違った時に気がついたのが、彼ら、グループごとにヘルメットの色・デザインが違っていた。
あとで知ったことだが、この火事に関する活動で、消防関係で200人余りの人員が投入されていたらしい。
ネバダ滝脇を降りて、ほんとに水の少ない、まるで静寂とでもいっていいようなシルバーエプロンを通り過ぎて、バーナル滝上まで降りてきた。このあたり、トレイルヘッドから優に一時間はかかるところなんだけど、こちらの人たちってほんと散歩がてらにこのあたりまでは歩いてきてしまう。登山者ふうの人はむしろ少数派になってしまい、スニーカーとTシャツ・短パンといった軽装の観光客が一気に目立ち始めた。僕ら登山の格好している人間のほうがなんか異人種っていう感じがするくらい。
ここも水はこんなもの。水量が多い時の幅がこの写真からどの程度か、おおよそわかるというもの。もっとも最盛期にはこんなところで悠長に写真なんか撮っていられない。滝の水しぶきがものすごくて目も当てられないくらいに様変わりする。

滝壺に白い細長いものが見えますが、これ、人が泳いでいる姿。
更に降りて、途中に河原の方に行くところがあり、大きな岩の上からはバーナル滝が正面に見えるポイントがある。
水が多いとここからの眺めは秀逸なんだけどね。

そんなわけで、「滝の上でのんびりと過ごす一日」の予定が大幅に狂ってしまったこの日、結局12時半過ぎに駐車場に帰還。歩いた距離も6マイル弱(10km弱)、と消化不良の一日になってしまった。これじゃおにぎり食べ過ぎだ・・・・。
このあと、ビジターセンターへ行ったり、おみやげを買ったりして、なんとか時間を潰して宿に戻った。
さて、昼間も運動不足だったし、明日は自転車でバレー廻りをするのでさほど早起きするわけでもない。スケジュール的には星空撮影の絶好の機会となった今宵。バレーフロアまで繰り出すか、と思い、外に出て空模様を確かめてみると、妙に明るいではないか。
これは不精して、宿の前で撮った一枚。ほぼ天頂付近、天の川が見えるはずなんだけど、妙に青っぽい。露出オーバーかと思いきやそうでもなさそう。

原因はこれ。東側の稜線のすぐ上に、やたらと明るい満月が煌々と輝いていたのだ。時刻は午後9時。

手持ちで160分の一秒で撮ったら輪郭さえうつらないほどの強烈な明るさ。
そう、この日はスーパームーン。ただでさえ明るい満月なのに、それがほぼ近日点でのも、ってんだから、星空撮影なんか望むべくもない。ヨセミテと満月の組み合わせならば、ムーンボウ(月光による虹)しかないけれど、肝心の滝の水がないんじゃそれも絵に描いた餅にすぎない。 うーむ、モノレイクに移動して、あと滞在は四日、一日に48分ずつ月の出は遅くなるから・・・・、と残り滞在日数を睨みながらこれも取らぬ狸のなんとやら。せっかくいい三脚持ってきたんだからね。
それならそれで、宿の向かいにある山を入れて一枚撮ってみた。やはり月明かりは偉大。北斗七星の取っ手部分を構成する三つの星が目立つくらいかな(クリックすると拡大表示します)。
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- 2014/09/29(月) 21:17:46|
- ヨセミテ
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