こちらでの滞在も残すところあと三日ほど。最後の週末なのでやはりヨセミテで〆ねばならぬ、ということで、日曜日の今日、行ってきました。ターゲットはまだ未体験の4マイルトレイル。もうこれ一本に絞って、帰宅時間は午後の6時と決め、逆算して朝6時半にホテルを出発~。

土曜日の朝よりも車は少なく、また、アップグレードされた車の能力ともあいまって、またまた記録更新の2時間15分でBOFのエントランス到着。バレー入り口の工事地点も信号機が設置されまともに管理されるようになったようで、6分ほどの待ち時間で通過。そしてトレイルヘッドに到着。軽くおにぎりで腹ごしらえをして(今日は4つ作って来ましたよ^^)、ほぼ予定通りの10:05にハイクスタート!
(今回もやや長め、です)

このコース、とりあえず長いスパンの九十九折を登って、それからバレー奥にむかって壁際をトラバースするように歩いて、そこから更に九十九折の急勾配第二弾、それを過ぎるとユニオンポイント、という感じですが、上部はやはり残雪が多く、ユニオンポイントから先はクローズしている、とのこと。まぁ予想通りなので、休憩を挟んでも二時間かからないだろう、と思ってました。
それにしても、崖の方角から予想できたことですが、まぁ寒いこと! 登りですから歩いていくに従ってじっとりと背中が汗ばんで暑く感じてくるのですが、一方では耳の冷たいこと! 帽子を持ってきていることもすっかり忘れて、つめてぇ・・・とつぶやきながらも、最初の九十九折第一弾をクリアし、崖に沿ってのトラバースへ突入。ここまでくると、かなり視界が良くなってきて、前方にヨセミテ滝、後方にはエルキャピタン、とまぁ贅沢な眺めに囲まれながら、思った以上にきつい登りになっているこの区間を歩いていきます。

ちょうどこのあたりで、ヨセミテ滝の全貌が見える、ということに気づき、そこかしこでパシャリ。ヨセミテ滝は、アッパー、カスケード、ロワーの三つのセクションに分かれているのですが、カスケードが見渡せるところ、ってこれまでほとんど経験なかったんですね。このあたりで5分くらい撮りまくってました。
そうしてしばらくバレー奥に向かって歩いていると、やがて次の第二弾を知らせる右急カーブが見えてきました。ちょうど日向になっていたこともあって、ここで小休止。時刻は10:40でした。甘いカップケーキでエネルギーを補充し、しばし日向ぼっこのあとに出発、10分ほどの休憩でした。

もう標高はバレーフロアから1000ftは上がっていたでしょう。急に周辺の空気の冷たさが強く感じられるようになってきました。と同時に目の前には恐れていた残雪、それもカチカチに固まったやつが、左コーナーの度に登場・・・・・幸いに完全にふさいでいるものもなく、また、先人の深くついた足跡がしっかりと残っていたりしたので、特に危険な目に遭遇することも無くクリアできました。残雪が目立ったのは一部の区間だけでしたが、どうやらもっとも日当たりが悪いところのようでした。

歩き始めは遥か彼方に見えた断崖のてっぺんも、もうくだいぶ近くに見えるようになって来ました(でも、まだまだあるんですよね)。
急勾配の続く九十九折をひぃhぃと言いながらも登り続けていると、なんとなくバレー奥の方が見渡せるような感じのところに到達、木々の間からドームの”くちばし”が見えてきました。ゴールまであと少し!(のハズ!)

あと少し、どころか、ほとんどそこがゴール地点でした。右カーブを曲がって進むと、一気に展望が開け、ドームが「いらっしゃい~」と迎えてくれているようでした。そしてトレイルの先を見ると”Close"の注意書きとともに、扉がしまっていたのです。時刻は11:35、距離3マイル(4.8km)、歩数7800歩でした。嬉しいことにこのユニオンポイント、日なただったんですよ~。岩場に腰掛けておにぎりの昼食、いやぁ、おいしかったです。これに沸かしたてのコーヒーがあったらいうことないんですけどね(笑)
今回のハイクで改めてその威力を実感したのが、速乾性のTシャツ。この上に長袖のシャツをきて、さらに上着を着ていたのですが、長袖のシャツがもう背中がびっしょり。手で触るとひんやりと冷たいんです。日なたでもあったのでTシャツ一枚になって長袖シャツを岩場に干したのですが、そんなことをして5分もしないうちにTシャツのほうはもうすっかり乾いていました。まぁ湿度が低い、というのもありますけど、やはり山歩きの時の服装って大事だな、と改めて思った次第。
では、ユニオンポイントからの”絶景3兄弟”(古くなったネタですけど、アメリカならまだ通用するんです・・・・)
左から、西をのぞんでハーフドーム、南に向いてヨセミテ滝、東をむけば「裏トンネルビュー」


それにしても抜群の眺望です。いっぺんに好きになりました。グレーシャーポイントは確かにさえぎるものがなく、ハーフドームも綺麗に見えるのですが、人の多さもあいまってあまり好きにはなれませんでした。ですが、ここは、なんと言うか、ガキの頃に自分ひとりで見つけた秘密の場所、というような雰囲気が感じられるんです。アクセスがカンタンではない、というのも大きな理由のひとつかもしれませんね。汗をかきながらも自身の足で登ってきて初めて出会える景色ですから、その喜びもまたひとしおなのだと思います。
で、ですね、あまりの天気と景色のよさにつられて、ちょっとばかりスケッチなんぞしてみました。さすがに公開できるほどのウデ前はありませんのであしからず(
後悔するにきまってますから)。もっと絵心があったらきっと二時間でも三時間でもいたことでしょう。
さて、楽しい時間もそろそろおしまい、12:20に名残惜しみながら出発です。
正確な標高差はわかりませんが、おそら2000ft弱、ですが3マイルほどしか歩いていないので、足のほうはすこぶる快調、これなら急勾配の下りも何ら苦痛にはなりません。いや、実際過去の山登りではないくらい、こんなに楽に下りを歩けたのは初めて、でした。ただ、あまり調子に乗ると、知らず知らずの間に負担が大きくなって突然”来ちゃう”んですよね。なので、10分ほどしたら意識的にゆっくりと歩くようにしました。それでも重力が味方してくれる下り、ってほんと楽です。汗もほとんどかきません。

下るばかりでは何の楽しみもないので、途中でこんなことも。第二弾の九十九折の急勾配のひとつ。写真上のほうはバレーフロアです。
途中休憩を取った場所まで30分あまり(登りは55分)、まだペース早すぎますって・・・・。

じゃあさらにこんなことを。
雪解けの水が小さな滝となってトレイルを横切って流れ落ちているところがありました。手を突っ込むと、キーンとしびれるような冷たさ! いっぺんに目が覚めます。
見る見るうちにバレーフロアーが近づいてきて、トレイルの上を樹木が覆うようになってくるともうまもなく終点。午後13:15、さしたる足の痛みも感じずにトレイルヘッドに到着。滞在最後のヨセミテでのハイクも無事終わりを告げることとなりました。結局、
歩行距離:6マイル(9.6km)
歩数:15500歩
所要時間:3時間15分
でした。あれ?随分短かったねぇ・・・・・・。
ちなみに、このトレイルのゴールであるグレーシャーポイントまでは、トレイルヘッドから4.7マイルあります。今日の感触ですと、ゴールまでいって、帰路そのまま降りてくる、というのは全然問題ないですね。ただ、同じ道を帰ってくるのは・・・と思うと、下りは別の遠回りルートで(パノラマトレイルージョンミュアートレイル)、ってのもいいかも?
このあとはいつものようにビジターセンターへ行って日付入りのスタンプを押して、カフェでコーヒーを調達し、しばしの憩いタイム。いやぁ、それにしても暖かくなりました。大の字になって寝そべってしまいたような誘惑に駆られますが、そいつをなんとか振り切って、バレー出口へ。途中、まだ雪の残るセンチネル滝や、水量の増したブライダルベール滝、バレーを出てから名もない小さな滝、さらにその先の、バレー入り口付近が見渡せるビューポイント、など、いつも通っていてもやり過ごしていた場所へあちこち寄って写真を撮りました。別にもうヨセミテに来ることが出来ない、というわけではないのにね(苦笑)。それでも来るたびにまた少しずつ新しい発見がある、そんなヨセミテが大好きです。
スポンサーサイト
テーマ:アメリカ - ジャンル:旅行
- 2008/04/21(月) 14:22:11|
- ヨセミテ
-
| トラックバック:0
-
| コメント:4
な ながい!
ぜんぶ読むのに3時間15分もかかっちゃいました(笑)
いい景色ばっかりで目の保養になりました。
レンタカー屋のおねぇさんが言ったとおりいい週末になりましたね

- 2008/04/21(月) 21:10:35 |
- URL |
- EKG #-
- [ 編集]
EKGさん、
そのツッコミ、さすが年季を感じます^^
>レンタカー屋のおねぇさんが言ったとおり
>いい週末になりましたね
えぇ、そりゃもう金髪のオネーさんが一緒でしたから(爆笑)
助手席を見るとそこには綺麗なおねえさんが・・・まばたきをしてもう一度見ると、それは走行車線の車のハンドルを握っているオネーサンでした・・・・・・ちゃんちゃん!
- 2008/04/22(火) 10:41:43 |
- URL |
- BK #-
- [ 編集]
white birdさん:
カレンダー、私のものでも、○○○○○ ・・・・・・
いえ、なんでもありません(苦笑)。
作りたいなぁ、と毎年思うんですが、冬にぴったりの写真だけがないんですよねぇ。
どこ歩いても、雄大な景色と特徴ある岩峰群が目に入るのと、展望が開けた時にはそれが数倍にも広がって飛び込んでくるので、そりゃぁもう感動モンですよ。
まぁ、浮き足だって崖から落ちないように気をつけないといけませんけどね。
- 2008/04/22(火) 15:44:41 |
- URL |
- BK #-
- [ 編集]