その5(9/12)でようやくハイク編。
五七五のリズムに載せて(違・・)Yellowstoneを巡る~
Tower-RoosebeltとCanyonの間、というよりCanyonエリア寄りにあるMt.Washburn(標高3115m)へのハイク。

実をいうと、ここイエローストーンでのハイクは予定になかったのだ。ヨセミテと違って大自然の中を歩き回るというよりは、各地に散らばる熱水現象や野生動物達を間近に眺めて楽しむ、というイメージがあったからで、ほとんどハイキングのコースは未調査のままこの地へやってきたのだった。
とはいえ、ここイエローストーンでも多くのハイキングコースが存在する。まだ実質二日しか滞在していないものの、「ちょっとあそこに行ってみたいね」というコースがいくつか候補として挙がったほど。そんな中から選んだのが、Mt.Washburnのピークに至るハイクだ。
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山頂には公園の山火事を監視する小屋が立っているという。ネットで検索すると何人かの日本人もこのピークを踏んでいるらしい。標高は3115mあるが、トレイルヘッドからの標高差はわずか400mあまりで、距離も3マイル少々と、若干物足りなさも感じるけれど、気分転換のお手軽ハイクとしては申し分ない。
ただ、この周辺のWashburnRangeとよばれるあたりは、公園内でも熊の生息地域として有名な所らしい。ハイカーが少ない場所や時間帯の時はベアスプレーの携帯を、とかなりしつこくアナウンスしていたので、出がけにMommothのビジターセンター脇のシ
ョップで購入。$47.99と少々値段が張るが、必要装備ということで。ついでにビジターセンターでトレイルの様子を尋ねるが、その時に購入したスプレーを見せながら「コイツを携帯していれば安心かな?」と冗談めかして聞いたところ、「おぉ、いい心がけだね」と。ただその時に微妙な表情をしていたのがちょっと気になったのだが、その理由は後で判明・・・。
MommothからRoosebelt-Tower方面へ車を走らせ、さらに分岐をCanyonへと進む。林の中を抜けて見晴らしのいい丘の斜面を走ると、正面に目指すピークが見えてくる。自転車マークのあるトレイルはもうすぐそこにあるが、我々が目指すトレイルはもう一つ、Donravanパスはちょうどピークの反対側になる。どちらから登っても同じくらい、ということらしい。

上部左のピークに建物らしきものが小さく見える。それが目指すピークだ。
山火事で焼失したと思われるロッジポール松のエリアを抜けてしばらく走ると、めざすトレイルヘッドの駐車場に到着。大きな左カーブを曲がると駐車場がみえるのだが、うわっ、車一杯! 駐車スペースがあるかどうか、心配になる位車があふれていた。幸いにも転回路脇に縦列駐車出来るスペースがあって一安心。
って、これ、一目見て30台以上の車が停まっているし、立派な看板といい、トイレもある、というかなりしっかりした駐車場だ。ということは、結構な人が歩いていることが容易に想像できる。ベアスプレー、不要なんじゃね?
このとき、ビジターセンターの人の微妙な表情の正体がわかったような気がした。「日中にあそこにハイクいくなら、今日は天気もいいし、ヒトも多いだろうからまず不要だろうね」ってことだったのかな、と・・。
歩き始めてほどなく山腹を左にカーブすると見晴らしいのいい斜面に出る。道は思いのほか広い。左に見える山を巻いていくと、じきにピークが見えてくる。

谷を抜けてジグザグの道を上がっていけば、山頂稜線に出る。

途中で20人くらいの団体さんと遭遇。皆70近いと思われる元気なじーちゃん、ばーちゃんの集団だった。皆、ニコニコ顔で挨拶を返してくれる。

ジグザグ道のレンジが長いので、右カーブにさしかかるたびにピークが大きくなってくる。

あたりは松の木がみられるくらいで、カラッカラに乾いた登山道が続くが、時折花が残っていて目を和ませてくれる。あと1っヶ月くらい早かったら、もっとお花畑が楽しませてくれたかもしれない。

じぐざぐの最後の左カーブを過ぎるとあとは稜線をたどっていくだけ。ピークはもうすぐ。

それにして、登山道にしては道広すぎ・・・。広いし、足元は土だけど硬いし。
よく見たら、いやよく見なくても気がつくけど、明らかに轍のあとらしきものが残っている。
そう、ここは元は車道だったのだ。山頂に観測所があるため、人や物資の輸送に使われていたと思われる。
現在は、このルートは車は通っていないが、もうひとつのルートは現在も車道として使われている。北側からのルートとの合流点を過ぎたら、なんと山頂から降りてきた車と遭遇!

山頂へは一時間半あまりで到着。
これは観測所の最上部で、居住階になっているところ。最上階って普通、観測場所だと思うんだけどね。

展望スペース内にあったハイカー用日記帳。我々もさっそく記入。

展望スペースにはごらんのような丁寧な解説が置かれてる。この日はちょっと霞がかっていて視界がクリアではなかったのが残念だったが、あとで写真と照合してみようと、すべてのパネルを撮影^^

こちらは北側方面。左下に車道が見える。

山頂で小一時間ほど過ごして下山。上りもそこそこ写真撮影で立ち止まったが、帰路の方が立ち止まっている時間は多かったかな。 このくらいの松って、発芽後どのくらいなんだろう?

雪解け水が流れているあたりだったと思われるこのあたりは、黄色い花が咲き乱れていた。乾燥しきった道路上では一際目につく。



これはおそらくマメ科の植物。ルピナスに似ているけどちょっと違う。なんでマメ科かというと・・・。

こちらが花が咲いたあと。枝豆みたいでしょ。

結構立ち止まって写真撮影して、下りの所要時間は1時間20分。距離の割には所要時間が少ないのは、やはり「林道」を歩いていたから。6マイル(9.6km)歩いたものの、なんだか物足りない感じは否めない。
もうちょっと車を走らせればCanyonの眺めが楽しめるけれど、それは明日の楽しみにとっておくとして、本日は宿へ戻ることにした。毎日のようにMommoth-Tower-Roosebelt間の道を通っているため、得てして単調になりがちだが、違い場所で野生動物に出会える楽しみがあるので、そんなに飽きるほどのこともない。
帰路の車中、あまりにあっさりとしたハイクのため、ちょっと物足りないね、なんて話になった。相棒が「そういえばMommothのあたりで何ちゃらピークに登った」なんて話を見たんだけど・・」と振ってきた。Mommothあたりで目立つピークというと思い当たるのは一つだけ。ちょっと偵察に行ってみるか、ということで、UpperTerraceからさらに先へ車を進めてみた。
左手にそれらしきピークを眺めつつ、あんまり通過したくない、今にも崩れ落ちてきそうな崖の脇を通り過ぎて、あたり一帯に草原が広がるその手前。小さな川の脇に駐車場があった。車は5台ほど停まっている。どうやらそこがトレイルヘッドらしく、案内の看板があった。
その名をBunsenピーク、という。

麓から眺めると、山頂には観測小屋らしき小さな小屋が立っているのが見える。山頂までは2.1マイル。標高差はおよそ350mくらい。時刻は3時。所要時間は往復でも3時間弱といったところだろうか。ちょっと物足りなかったハイクの付け足しにはちょうどいいあんばいの距離かもしれない。ほとんど考える間もなく、レッツゴー!
林の中を抜けて、正面に見えるピークの左側を巻くようなかたちでトレイルは続いている。途中、先ほど書いた「今にも崩れ落ちてきそうな崖」を見下ろす場所に出た。写真上部がMommoth方面だ。

真横を通過しているとほんといい気分はしない。いつ崩れてきてもおかしくないよな、コレ・・・。
このあたりも一部山火事で消失したであろう様子が伺えた。10m以上の背の高い松がいくつか残っているが、そのほとんどは枯れた状態で、その足元には2、3mの若木が生い茂っているのだ。

トレイルは標高を上げながらも、北へ北へと向かっている。とうとうMommothエリアが見渡せる一まできてしまった。

駐車場から直登に近い形で登っていくのかな、と思いきや、山腹をぐるっと半周近く巻きながらトレイルができているのだ。極端だけど、吉田口5合目から登り始めてお中道をぐるっとたどって富士宮口までいってから山頂に向かうようなもの。それで片道2マイルもあるわけね、納得。
頂上付近はガレ場となっていてちょっと歩きづらいが、あと少しだ。

到着~、標高は2610m。所要時間は65分。

ここは気象観測所になっていて、各種機器の動作のために、Mommoth側からは電線が惹かれている。駐車場からは見えないが、反対側にはあの無粋な電柱が何本も立っているが見えるのだ。
東側を見ると、いくつかの3000mを超えるピークが並んでいるのが見える。あのあたりもハイクコースがあるのかな?

気になって結局ハイキングガイドの本を買ってしまった。ヨセミテのハイクガイドと同じ会社が出しているものだ。
再びこの地に来る機会があるかどうかはわからないけれど、それでもガイドぼんを眺めながら空想することもまた楽しいかもしれない。イエローストーン”エアー”ハイクってやつだ(笑)。
この日の夕食は持参したレトルトのカレー。
食器は温めたカレーを入れたので、ご飯をどうしようか思案したが、わりと頑丈なBestWetsternの紙コップを利用。
題して、「カップカレー」。ま、相棒には不評だったけどね。
Yellowstone&GrandTeton-その6へ続く。
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- 2017/10/01(日) 21:53:06|
- 旅行(海外)
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