時計の針をちょい戻しまして、GWの中休み。
鳩待峠までの開通を待って至仏山に行ってきました。
GWを過ぎると融雪が進み、植生保護のためしばらくの間入山制限が行われます。
残雪時期に一度いってみたいと思っていたんですよね。

道の駅白沢(車中泊)-戸倉P-鳩待峠7:27 - 10:08 至仏山 11:31 - 12:58 山ノ鼻 13:29 - 14:58 竜宮小屋
5/2の朝、これ以上ないというほどの快晴に恵まれて、鳩待峠に降り立ったのが午前7時半すぎ。周りはほとんどがスキーorボダーで、純粋な山のぼらーは全体の一割ほど、といったところ。周りはまだ2m以上の積雪に覆われているけれど、樹林帯の向こうには至仏山の山頂が既に顔を出している、という状態。天気がどうなるかやきもきしていたけれど、来てみたら全くの心配ないコンディション。気になったのは道中道端脇に顔を出していたふきのとうの芽の方だったわけでして(苦笑)。

目印の赤テープも多く、道迷いの心配は全くなし。下の雪も程よい感じで締まっていて、アイゼンも必要なし、のコンディション。葉をすっかり落とした木の枝に見惚れながら、その向こうに広がる青空に心うきうきさせながら高度を稼いでいきます。

40分ほど歩くと視界も徐々に広がってきて、目指す至仏山も視野の中。小至仏の向こうに見えるのが山頂だけれど、これがなかなか距離が縮まらない!!

進行方向右側に目をやると、雪に覆われた尾瀬ヶ原とその向こうの燧ヶ岳が目に飛び込んでくる。前回至仏山に登った時にはお目にかかれなかった光景で、思わず叫び声を上げたくなるほどの見事な眺めが続いてくれる。

ようやく小至仏のトラバースの手前までやってきた。通常の登山道は稜線の南側(写真で言うと左側)に付けられているのだが、この時期は北側をトラバースするコースになっている。

このトラバースの斜面が思っていた以上に急斜面。写真だとわかりずらいが、足を踏み外したら間違いなく数百メートルは止まらずに落ちていくであろう、という感じ。ステップが切ってあるが、山側の斜面とは50cmくらいの差があって、左右のストックの長さを調整して歩いたほど。

小至仏を過ぎたらもう目と鼻の先に見えていた山頂だが、実はここからまだ30分以上かかる。天気の良い日の見た目に騙されてはいけない・・・。
振り返ると後ろにはまだまだ沢山の登山者が見える。そしてギザギザの山頂が特徴的な武尊山の向こうには富士山もくっきりと見えていた。前日の雨が空気中のちりを洗い流してくれたようで、ここまで鮮明に富士山が見えるのも珍しい、といろんな人が言っていたのを思い出す。

途中、こまめな休憩と、写真撮影に多々立ち止まっていたこともあって、2時間半ちょいかかってようやく山頂に到着!
「ここは塔ノ岳か!?」っていうくらい、大勢の人がいたのにはびっくり。

至仏山頂からの見事な大パノラマをどうぞ(3枚ともクリックすると拡大します)。
上越方面。奥只見湖も見えています。

武尊山とその向こうに富士山。

定番の尾瀬ヶ原と燧ヶ岳。

山頂では至仏コーヒーを堪能し、そしておそらく今シーズン最後の雪山であろうとのことで、相棒はせっせと雪だるま作り、と普段の倍近い時間、山頂でのんびり昼休憩。まぁめったにない好天だし、こんな時くらいはのんびりと楽しまなくっちゃね。
そして山の鼻への下り。シーズンであればこのルートは登りで使用するよう指導されているため、正面に燧ヶ岳、眼下に尾瀬ヶ原を見下ろしながら下ることができるのもこの時期だけのご褒美。あまりスタスタ降りてしまうのももったいないくらいで、しばしば止まっては山頂方面を振り返ってみる。が、やっぱりあっという間に山頂は稜線の向こうに隠れてしまう。

時折こんなクラックも見かける。あと一週間もしたらもっと大きく広がっていることだろう(実際にはその様子は見ることはできないかと。今シーズンは5/7で至仏山への入山が全面禁止となるのだ)。

途中ではこんな遊びも。
でも、道具もなにもない状態で、尻ひとつでうまく滑ろうと思うと、結構テクニックがいるのだ。雪面もかなりぐずってきているので、ある程度助走をつけてからスライディングするようにして飛び込まないとすぐに止まってしまう。

1時間くらい時間をかけて樹林帯のあたりに到着。これ、遊ばないで駆け下りてきたら多分20分もかからないで着いてしまう感じ。やっぱりそれじゃ勿体無い。

途中、この斜面を登ってくる人と2名すれ違ったけれど、この時期にこの斜面は登りたくない、ただの罰ゲームにしか思えない^^;
ちなみに、下の写真は2010年7月に至仏山に登ったときの、樹林帯の切れ目から撮った一枚。
このあたりで積雪は2m以上と推定。

この樹林帯、10分くらいで通過するかな、と思ったらいやはや、抜けるのに20分近くかかったかな? 赤テープの類はほとんど見当たらなかったような。まぁ、どこ歩いても自然公園の一部に出るので問題ないんだけれどね。

こうやって燧ヶ岳を見上げる光景を目にすると、尾瀬ヶ原にいるんだな、という感覚がましてくるから不思議なものだ。
山の鼻で小休止のあと、本日の宿である竜宮小屋目指してもうひと歩き。5km弱の雪原歩きの始まりだ。
振り返って至仏山。残雪と山肌が露出しているところが独特の模様を浮かび上がらせている。

果てしなく遠い竜宮小屋(苦笑)。

こんなふうに一部積雪がシャーベット状になって溶け始めて小さな池のようになっているところがある。これがだんだんと広がって言って池塘が姿を現すようだ。

山ノ鼻から一番近いところにある橋。まだまだ積雪は2m以上あるようで。

このあたり、竜宮小屋へ向かう途中で最も水芭蕉が群生しているあたり。雪が溶けて湿地が出ているあたりはもう芽が出始めている。遠目で見ると白く見えるのだが、近くによると結構茶褐色のところが多く、雪焼けでもしているのかのよう。あと一週間もしたら早いものは花が咲くんだろうな。

竜宮十字路では、道標と木道の掘り起こしをしていた。が、ここらもまだ2mはある残雪に根をあげたようでした。

ようやく到着。残雪もかなり緩んできていて、一歩踏み出すと10cmくらい足が埋まるようなコンディション。それでもあの地獄の踏み抜きに遭遇しなかっただけでもラッキーかな。出発前は踏み抜き防止でスノーシューを購入しようか真剣に悩んだくらいだったから。

雲一つないまま日の入りを迎えた尾瀬。今宵はどんな星空を見せてくれるのか、かなり楽しみな夜になりそう。

これまで尾瀬に4回宿泊しているけれど、満天の星空に恵まれたことがない、というより、まともに星空が見えたことがない。半月の明るい月夜になってしまうが、月の入りが午前1時すぎ。入り前の明るい尾瀬ヶ原と、入り後の星空と両方楽しめそうだ。
ん?ってことは、今晩と明朝と2回の撮影?
はい、そうです。
ようやく恵まれた晴天の夜空。徹夜でもなんでもOKですぜ!
あと2回分、続く。
残雪たっぷりの尾瀬ー2はコチラ
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- 2017/05/22(月) 22:40:14|
- 山
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