12月の第二週に大菩薩へ行ってきました。
天気予報と睨めっこ、予報はまずまず、これなら、大展望・夕焼け・星空・朝焼けの二つは楽しめるだろう、と。特に日曜の夜はふたご座流星群が楽しめるとあっては、いやがおうにも期待は高まるというもの。
ま、こういうのも「とらぬ狸の皮算用」といえなくもないか・・・・・・てな結果に。
というわけで、ガスに包まれた初冬の深い森の中を堪能してきた二日間でした(強がりか?^^)
12/13(日)
自宅発 5:15-7:10 丸川峠分岐駐車場 7:42 - 9:21 上日川峠 9:40 - 10:53 大菩薩峠 11:42 - 12:48 大菩薩嶺 13:09 - 14:30 丸川荘
『大菩薩ー紀行予告編』は
コチラ『大菩薩ーその2』は
こちら。

5時過ぎに自宅を出発、本日のルートは、東名御殿場インターから東富士道路を経て中央自動車道河口湖線経由。思いのほか早く到着し、予定の8時よりも前に丸川峠分岐の駐車場を出発することが出来た。高速を降りて塩山市街を抜けて411号を北上している時には、正面に大菩薩の稜線はくっきりと見えていたんだけどね。

駐車場を出発してものの2,3分で登山道の分岐点が現れる。ここから一歩登山道に足を踏み入れると、そこはすっかり落ち葉の絨毯の気持ちよい道が続いている。両側はすでに葉をおとした広葉樹ばかりだ。既に廃墟(?)となった感のある千石茶屋の脇を抜けると、いよいよ急坂の始まりだ。

まだまだ標高が低いせいか、歩いているとだんだん汗ばんでくる。数百メートル登る度に着ているものを脱いで行ったけれど、何故か今日は汗のかき方が多いよう。相変わらず上空はどんよりと曇ったままなんだけれど。右の写真は第一展望台あたりからみた塩山市街の様子だけれど、結局このあたりでの景色がもっとも遠くまで見通せた眺め、だったのかな。

過去二回の山行きは、八ヶ岳と木曾駒、どちらも花崗岩を主体とする岩盤が元になっているようで、かなり険しい岩場だったこともあって、このあたりの軟らかい地層の上に積もった落ち葉の感触が妙に足に優しく感じられる。今年の二月に雲取を歩いた時のことを思い出す。こんなフカフカの場所もあれば、背丈以上に登山道がえぐられている所も結構目立っていた。
登山道の合間から顔をのぞかせた大菩薩稜線の一部。中央やや左の禿げたあたりが大菩薩峠あたりかな?

とまぁ、このあたりではまだまだ稜線はくっきりと見えていたけれど、小金沢連峰方面に目をやると、稜線の一部はすでにガス攻撃にあって見えなくなっている。あっちいけー!と大声で叫んでみたけれど、ほとんど効果はなかったようだ・・・。

展望が望めないなら、登山道に何か面白いものはないものか?と目を皿のようにして歩いていると、クリのカラがあっちこっちに落ちているのが目に入った。直径は2cm程度のとても小さなものだけれど、ある地点までいくとそこかしこに落ちているのだ。葉がついているとわかりやすいのだけれど、さすがに幹だけになった木をみてクリの木だ、と判別できるほどのハカセではない。どこにあるんだろうなぁ?と思いながら歩いていると、いくつかの木には看板が掛けられてあるのが目に入った。そして目にしたのが、予告編の記事で掲載した「くりと楓のこらぼ」写真。勝手にコラボさせて頂きましたけど。
それと、周辺にはえているいる木々の幹や枝が妙に個性を持っている。ひとことでいうなら、ねじれたヤツがとても多いのだ。こういうふうに木がなる、ってのはいったい何が原因なんだろうね? 気象条件かなぁ、とか、アホなことも含めてあれこれしゃべりながら、そこかしこで写真を撮りまくった。以下その一部をご紹介。

↑このあたり、上日川峠まで10~15分位の地点です。

やっと上日川峠に到着、このあたりまで上がってくると、ぼちぼち雪が見られるようになってきました。寄り道が多かったので、コースタイムに近い時間でようやく到着。それにしても、ここ、ほんと開けた場所なんですね。林道が通っていて一般車もここまで上がってこれるわけですから、雰囲気も自然と街中の匂いがするのもうなづけます。この林道のおかげで大菩薩もぐっとアプローチしやすくなったんでしょうね。
ポットに入れた熱いお茶とおにぎりでエネルギー補給していると、タクシーがどんどん通過していきます。チラっとみると年配の方がご乗車に。向こうもこちらを見て目があってしまい苦笑。そんなタクシーが7、8台続けて通過して行きました。どうやらこの先の福ちゃん荘まで乗車のようです。目的地はおそらく大菩薩峠でしょうね。どこかで追いついてやる、とひそかな(無駄な?)闘志を燃やしてみたりしましたけど、結局それはカラぶりに。

福ちゃん荘の脇を通過。当然のことながら、年配の方々のグループは視界にはありませんでした。
そしてじゃーん、富士見山荘脇からの富士山~!

えぇ、これだけ、です・・・。かろうじて裾野が判別できる程度。
実は、朝、東富士周遊道路を通った時にすでに中腹から上は雲がかかっていたんですね。通過したのは日の出前でまだ真っ暗だったんですが、それでもぼんやりと裾野と雲の様子だけは見えたんです。その雲が晴れてくれることを祈っていたんですが、どうやらそれもかなわなかったようで(トホホ)。

勝縁荘を過ぎると道はぐっと細くなり、ご覧のとおりの雪道に。アイゼンが必要なほど凍っているわけではなく、ほどよくしまってシャリシャリと気持のいい音を立てながら登って行きます。福ちゃん荘を出発して50分余りで介山荘のある大菩薩峠に到着。峠付近はずいぶんと賑やかな様子でしたがそれもそのはず、先ほどのタクシーで分乗してきていた年配のグループが休憩していました。
ここで、大展望!って叫ぶはずが、冒頭の写真の如く・・・・南から上がってきたガスがここまで到達してきてしまったようでした。この時点では、北東方面の秩父山稜はまだくっきりと見えていましたが、そっち方面も一時間もするとガスに覆われてしまったようでした。

我々もここで一息。写真を撮ったりコーヒーを飲んだりして過ごしましたが、いかんせんこのガス。眺めが良ければここでスケッチでもしようか、と思っていたんですがそれもままならず。少し待てばガスが晴れるかなぁ、と待ってみたものの期待薄なので、重い腰を上げて出発することに。

ここは大菩薩嶺ふもとの雷岩。ガスがなければ向こう側には大展望がひろがっているはずなんですけどね。

小一時間で大菩薩嶺に到着。百名山何座目かな? 到着したときには別に登山者が一名いましたけど、すぐに居なくなってしまったため、めでたく(?)「百名山二人占め」の達成です(笑)。

雪のある場所での楽しみのひとつ、がコレ。
カメラのキャップでベレー帽をかぶせてみました(雪だるまの作者は相方です)。

あとは丸川荘めがけて下るのみ。こちらの斜面は山荘までほとんど雪上歩きでした。とはいうものの、トレースもしっかりついており、迷う心配は全くなし。所々凍結している箇所があるけれど、範囲は狭く、ストックのみで全く問題ナシ。快調なペースで下って・・・・・とはなりませんでした。実はこの日、上日川峠までの登りで汗だくになって、早々にストックを使い始めた私でしたが(なんという体たらく・・・)、雪が深くなってきても「今日はどこまでストック無しでいけるか頑張る」と、妙な所で粘りをみせる相方。大菩薩嶺までの登りでもちょっと危なっかしい場面がありましたけど、下りに入ってからは、冷や汗をかくことも・・・・。1800m付近に下るまで粘りに粘ったため、意外に時間がかかってしまった、のです。最後はとうとう観念してストックを使いはじめましたけどね。
まぁ、この位の下り道と雪の状況なら、アイゼンをつけなくても、というよりアイゼンなしでも歩けるようでないと、というのが個人的な感想。でも、不安があったら迷うことなくつければいいと思いますけどね。
左上の写真は、丸川荘手前の最後の斜面。もうちょっと雪があったら、尻セードで楽しめたのに・・・・。
この丸川荘のご主人、彫刻をたしなむということで、最初は気難しいオジサンを想像していたんですが、なんのなんの、とっても気さくでほのぼのとした人柄のご主人でした。宿泊客は我々二人、ということもあって、気をつかってくれたのかもしれません。食事の前、食事後も9時ころまで、ほとんどずっと話をして過ごしました。
特筆すべきはその食事! 薪ストーブの上でいいにおいとパチパチとはぜる(焦げる・・)音をさせるホイル包み焼き、自家製味噌による具沢山の味噌汁、これらはのちほど別記事で紹介します。

食後には、噂のコーヒーを頂きました。マイカップですと50円引き、です。
オーダーを受けてから豆を挽くこだわりの一品で、とてもいい香りが山荘に漂っていました。食事のあとの旨いコーヒー、うーん、贅沢。
これで星空が見えていたら、もういうことなし、なんですけどね。
布団には、薪ストーブで真っ赤になった豆炭をしこんだアンカ(懐かしい!)が入れられています。それは朝になっても十分暖かかったほどの効き目。あいにく私のほうのアンカは、途中で切れてしまったようですけど・・・。
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- 2009/12/21(月) 22:51:35|
- 山
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| コメント:4
寒そ~な写真が続いた後の、ランプの灯りが素敵です!
ランプや蝋燭や暖炉の火って大好きです。
- 2009/12/22(火) 22:14:32 |
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- まーがれっと #nGdA3O4A
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まーがれっとさん:
そう、このランプの温かさがなんともいえないんですよね。冬の寒いじきだからこそ余計にぬくもりが感じられました。
薪ストーブの火もまた格別~。
- 2009/12/22(火) 22:24:11 |
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- BK #-
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white birdさん:
「もうあと3000ftくらい上にあがったら、この雲の上に出ているかもね」なんてボヤいてました。
夕食の写真は別コーナーにて掲載予定です^^
食後に薪ストーブを囲んで、極上のコーヒーの香りに包まれて・・・、はい、贅沢な時間です。そんな夜をたまに味わうのもまた山の楽しみの一つかもしれません。
- 2009/12/23(水) 21:50:22 |
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